走り始めて3キロぐらいで、トイレに行きたくなった。田園地帯なのでコンビニとか、公共の施設などトイレを借りられそうな場所はなさそう。仕方なく車を止めた遺跡の広場の駐車場に引き返した。少しアップダウンのある道である。速度を上げて速やかにトイレに向かおうと思っても、上りでは力が入らず、下りではストライドを伸ばせない。不測の事態は社会の構成員として避けねばならない。最悪の場合、草むらで催すことを考えた。
天は我を見放さなかった。危機一髪、間に合うことができたのだ。心拍数が最も高くなっているのが、追い詰められた状態であったことを物語っている。
トイレ後も少し走ったが、気分が高まることはなかった。